ALSの利用者を二人担当している。
一人の人の奥様は、気が小さく心配性である。最初から自宅で介護できるかしら・・・という不安が大きかった。そして、実際に介護してみるとその苛酷さに押しつぶされそうになっている。訪問のたびに、
「夜は1時間ごとに起きて吸引してますからね。もうフラフラになりながらやってます・・・。」と言われる。昼間、介護サービススタッフがいるときに、ゆっくり休んでくださいと言うが、
「スタッフが訪問することで又気を使うんですよ。お客さんがいるのに、寝てられないですからね。」
自分で自分を追い込んでいる。レスパイト入院を一度行ったが、病院までのケアタクシーの搬送代が往復2万4千円。気軽に頼める額ではない。インターネットで検索し、24時間営業している訪問看護ステーションを見つけた。これだ!と思い、さっそく電話をかけてみると、5km半径が活動範囲だと言われ、がっくり・・・・とにかく、とにかく奥様がゆっくり寝れる時間を確保しなければ・・・なんとかして巡回訪問看護を取り入れたいと思っている。
寝不足になると、攻撃的になる。おそらく利用者への態度に反発心が見られてもおかしくはない。あるいは、そんな疲れた奥様を見かねたのか、本日の訪問看護スタッフからの報告は衝撃的であった。
「『毒を飲ませてくれ。殺してくれ。』」という言葉が出ています。」
背筋が寒くなった。奥様を疲れさせているだけの自分を責めているのだろう・・・
もう一人のALSの利用者。夜間担当は息子様が担っている。幸いなことに人工呼吸器をつけているものの、自発呼吸もあり、20分ぐらいは、酸素飽和度は低下しない。だからではないが、夜間足先につけたセンサーを必死にならしてチャイムを鳴らしても、当の息子は気持ちよく寝ており、なかなか起きないらしい。やっとこさ起きてやおら、吸引。
なんか、それぐらいの図太さといい加減さがないと、ALSの介護は出来ないような気がする。
宇野 恵子
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