担当する利用者でご夫婦ともにというのは珍しくない。
吉田ケアマネもご夫婦ともに担当していた。しかし、ご主人が4月に亡くなられて、今は奥様だけを担当している。吉田ケアマネは、自宅を訪問した時は、必ず一番最初にご主人の御仏壇に御参りしてから、奥さまとの会話を始めていたそうだ。
本日、奥さまのサービス担当者会議があった。出がけに、他の利用者の容体が急変し、バタバタした。そのせいで、担当者会議の開催時間直前に自宅にすべりこむのがやっとだったらしい。もう他のサービス事業所の人は集合している。だから、今日だけ、本当に今日だけ、ご主人の御参りをせずに、直接みんなが集まっている部屋に急いで入り、腰をおろした途端、『ガチャン』と何かが、倒れた音がしたそうだ。
えっ?!その音は、仏壇に飾っているお花いれの陶磁器が倒れた音だった。風も吹いておらず、誰も触ってはいない。
「ああ、ごめんなさい!○○さんと今日はお話してないですね。ごめんなさい。今から御参りします。」と吉田ケアマネはあわてて、仏壇に近寄り、いつものように、手を合わせた。その場にいた全員も吉田ケアマネにつられたように、一緒に手を合わせたそうな・・・・・
事務所に帰ってきて、吉田ケアマネがいたって真面目に「私も加えてくれ~と言いたかったんでしょうね。賑やかな所が好きな人でしたから・・・」と私に話した。
花器がなんらかの原因でバランスをくずしたなんて、無粋なことを考えず、そこにいた全員が「私も加えてくれ。」ときっと言いたかったんだねと信じて手を合わせた所がすごい。
なんだかホッとする、ちょっといい話だ・・・・
宇野 恵子
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