昭和60年ごろに借りたお金が60万円。しかし、返済が滞っているうちに、利子が増えに増えて現在475万円の借金を抱えている利用者がいる。今は生活保護を受けており、払えるはずもない。
ヘルパー事業所から、明日、「千円でもいいから払うように。」と言いにきた金融会社がありますとの報告。借金問題をお願いしていた包括センターにすぐに連絡すると、法テラスの弁護士が本日、本人を連れてくるようにと言われたそうだ。
自宅に包括センター職員と向かうと、本人は、「体調が悪い。風邪もひいとる。どこも行かん。」とぬかす。どんなになだめすかしても、ベッドから出ようとしない利用者を二人で必死に説得する。
「ああ、そうですかと私たちは、帰ることもできますよ。そうしたら、借金はいつまでも解決しないでしょ。きちんと法的手段をとるためには、どうしても行かなきゃ行けないんです。○○さんをホームレスにしたくないんです。いつまでもここで、穏やかに過ごしてほしいんです。お願いですから・・・・」
私たちの泣き落しがきいたのか、やっと重い腰を上げてくれた。法テラスの弁護士は、以前にもお世話になった。あの時は、偉そうな弁護士だなあという印象だったが、本日はちがった。事情を聴き、
「絶対に払っては駄目です。借金の時効は過ぎているから、取り立てをするほうが、法律違反です。1円でも払ったら、そこから又債務が始まりますからね。」とのこと。なるほど。借金の時効は5年なんだ・・・・明日、取り立てにくるらしいことを報告すると、すぐに電話をとり、そのサラ金会社に電話を入れてくれた。
「私は、弁護士の○○です。○○さんの返済時効は過ぎているでしょ?!明日取り立てにくるということだけど、そんなことしたら、○○の罪でこっちが訴訟をおこしますよ。いいですね!何か言い分があれば、私に言ってきなさい。」と、早口でまくしたてる。
もう、思わず、拍手したくなるような鮮やかさ。かっこよさ。ああ、やっぱり来てよかった。本人もやっとにっこりと笑う。でもって、本日の相談料は生活保護受給者なので無料。なんとまあ、法テラスは貧乏人の味方だろうか。
ついでに、その弁護士の名刺をもらってきて、利用者の部屋に貼ってきた。取り立てがきたら、その名刺を指させと利用者に懇々と言い聞かせる。
借金が解決した。社会福祉協議会の導入もあと一歩。困難事例から、普通の利用者になる日も近い。
宇野 恵子